だるまさんこちら向かんせ世の中は月雪花に酒と三味線…とまあ、こういきたいものです。

他人ごとではない

昨日から話題にはなっているが、
どうにも菅官房長官が気の毒になってきた。

さんざん例の東京新聞の望月記者に加計問題でつき上げられ、
うんざりしたところに朝日新聞の南記者の質問。

政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG、八田達夫座長)が、
2015年6月に獣医学部の新設提案について愛媛県と同県今治市からヒアリングした際、
内閣府が公表した議事要旨の出席者に記載のない学校法人・加計(かけ)学園の幹部が
同席していた(朝日デジタルより)、

という事実に絡んだ質問で、
南記者は何で議事録にないのか云々といったことで質問したわけだが、
流れで菅官房長官自身の著書からの引用をさりげなく持ち出して、
これを書いた政治家を知っているか?と聞くと、
あろうことか菅官房長官は「知りません」とふてくされて言うわけだが…

いや、気の毒と言うのは、
おそらくそんなに悪人でもないであろう菅官房長官が、
ヘタに優秀なだけに安倍に忠心を捧げるというか、
まあ、立場が立場だけに総理を全力でかばうわけだが、
何せ“お友だちごっこ”の安倍だけに脇が甘いなんてものではなく、
何があっても自分の都合だけで押し通すから、
いくら菅っちが優秀でも限度があるわけだ。

で、優秀な望月記者などからさんざん突っ込まれるわけだが、
そしてそれは他のメディアがみな御用記者で突っ込まないから、
望月女史が孤軍奮闘するわけであり、
本来なら記者たちに突っ込まれて、
安倍政権なんぞはとっくに総スカンを喰らって消えてるはずなのだが、
怒っちゃまクンの安倍と、
それに脅えるマスコミが共同で支えて、
かろうじて維持できている政権だけに、
真っ向から正攻法で突つかれると、
菅官房長官ひとりだけでは、
意外ともろさを見せることがある。

官房長官は望月記者には必ず突き上げられるから、
いいかげんウンザリした顔を晒すが、
私にはそれは実は、
安倍あるいは現政権のくだらなさにウンザリしている、
というように見えるのだ。
そう思いたい。

だからこそ、朝日新聞の南記者の巧妙な誘導尋問に、
簡単に引っかかってしまうのである。

もうどうでもいいというか、
けっこう本人も知らない心の奥底で、
菅さんはけっこうマジにウンザリしていると思う。
何かのきっかけがあれば、
いきなり辞めちゃうなんてこともあるかもしれない。

また、公平を期すために補足すれば、
公けに発表されたWGのヒアリングの内容は、
ヒアリングの“議事要旨”であり、議事録ではない。

要するにヒアリングの議事録の抜粋を発表する義務?はあるが、
“議事録”自体はヒアリングの4年後に公開されることになっている。
だから、加計学園側の幹部が参加して発言していたことが、
発表された“議事要旨”の中にないからといって、
“議事録”自体にもないかどうかはわからない。
4年後にならないとわからない。

でもまあ、動画を見る限りそういうことではなく、
菅官房長官はウンザリしまくっていたので、
朝日の記者の質問にも考えなしに、
つい反射的に「知らん」と言ったわけで、
また実際にその著作がゴーストか何かに書かせのか、
口述筆記だったかはわからないが、
いずれにしろ5年前の自分の著作を、
質問内で引用されるとは思ってもみなかっただろうから、
半ばふてくされて思わずそう口走ったのだと思う。

何が言いたいかと言うと、
あまりの安倍の幼稚さやファッショぶりに、
本当はウンザリしているのだが、
立場上態度に出すわけにもいかず、
どころか、
かばってあげなくてはいけないポジションのわけで、
ヘタに優秀だから表現のレトリックでも何でも駆使して、
それなりに切り抜けてきたわけだが、
表面的にはスムーズに進んでいるように見えても、
そういう心にもないことを続けていると、
これは“絶対に”どこかで破綻するということなのだ。

絶対にだ。

だから、
そうしたダムが決壊する蟻の一穴を見たような気がして、
私としてはどこかうすら寒い気がしたと同時に、
逆の意味で菅さんの人のよさを見た気もしたわけだ。

どこかで引き返したほうがいいんじゃないか、
菅さんは。

いや、私は別に菅さんが好きでも何でもないし、
国民に対しても大きな責任があると思う。
ただ、あの顔は不本意なことをしている人の顔だと思うわけだ。
正しいことをやっていると自信を持っている人の顔ではない。
何とか正当化しようとしている、
言ってみれば普通の人の顔である。

安倍なんかに忠誠を尽くすことはないと思うぞ。

そして今や政権内のみならず、
会社のような組織内でも同じことが起きている。
日本社会のあらゆるところで起きているのだ。

何かが大爆発しないうちに、
みんなで絞めつけてきたあちこちのネジを徐々に緩め、
上層部や力のある者は、
これまで独り占めしてきたものをちょっとずつ手放してはどうだろう。

家族のためとか世間の目とか、
常識とかお金とかのためにいろいろと我慢してきた人は、
ここらでちょっと深呼吸して、
はて、私は何をやりたいんだっけ?
と立ち止まることが必要なんじゃないだろうか。

で、酒でも飲んで、
みんなとバカ騒ぎはしなくてもいいが、
せめて話でもしていれば、
今まで忘れていたこともふと、
思い出すかもしれんよ。

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