一昨日、と言っても実質昨日だが、
眠ってからまた書くと言ったきり。

実はものすごい二日酔いと原稿書きと、
あと誕生日だったのだ。
55歳になった。

必死の思いで(というほどでもないが)原稿をチェックし、
体調復活を心がけた。
なぜならまた飲まなければならないからだ。
誕生日パーティーというほどではないが、
ちょっとしたエスニック料理とカクテル。

料理はカミさんが作り、カクテルは娘が作った。
久しぶりにエスニック料理を食べたせいか、やたらうまかった。
あとジントニックがまたいける。
こんなものトニックウォーターとジンとライムがあれば
誰でもできると娘に言われたが、そうでもないだろう。
やっぱりライムは生じゃないとダメだし。

実は娘はバー(!)でバイトをしていて、けっこう酒には詳しくなった。
私の知らないウィスキーや、とくにシングルモルト系とか、
アイリッシュもので知らない名前をときどき出す。
シェイカーは振れないが、他の酒は客に出してるというから、
じゃあマティーニは作れるかと言うと、作れると。

そこで興にのってドライマティーニの話をかまし、
アメリカ人はいかにベルモットの量を減らしてカッコつけるかを競い合い、
映画のワンシーンでもさりげなく使われたのだと知ったかぶりをした。
何かの映画では、ベルモットの栓を抜いたコルクで、
グラスの縁をさっと拭いて飲むとか、また何かの映画では、
ドライジンを注文して、チラッとベルモットの瓶を横目で見て飲み干すとか、
何ともイキじゃないかとオダをあげたのだが、無視された。
横では息子が娘の作ったコアントローとオレンジジュースとジンの、
何とかというカクテルをひとしきり飲んで酔っぱらってる。
わが家は滅びるなとチラと思った。

滅びると言えば、
『日本が世界地図から消滅しないための戦略』(月尾嘉男著)と言う本は、
めちゃくちゃ面白い。
これまで大国と言われた国が、
いかにあっと言う間に滅んだかを詳細に分析している。

紀元前2世紀、地中海の南に669年栄えたカルタゴはローマに滅ぼされた。
都市は2週間で完全に破壊され、男はすべて殺され、女・子どもは奴隷にされ、
農地にはすべて塩をまかれた。徹底的に蹂躙されたカルタゴは地上から消滅し、
19世紀末まで遺跡すら発見されなかった。
また建国から1000年、地中海の覇者だったベネチア共和国は、
ナポレオンによってあっという間に滅ぼされた。

そのほか、国家を長期に維持したのは、東ローマ帝国(1059年間)、
神聖ローマ帝国(845年間)などがある。
日本は、皇室の初代とする説をとって、
第26代継体天皇(在位507~531)の即位からでも1500年以上、
初代の神武天皇からだと2670年以上になる。
さらに神武天皇以前、
『富士古文書』や『上記』『竹内文書』の世界になれば、
とんでもないことになるが、まあいい。
とにかく日本ほど長期にわたり国家を維持してる国はほかにはない。
国家の定義にもよるだろうが、そんな細かいことはどうでもいい。

この本の核心は、過去に栄華を極めた国がなぜ滅んだのかということだ。
そして、その理由のことごとくが今の日本に当てはまる。
われわれは日本がこれからもあると思っているが、
滅びるときは簡単に滅びるということなのだ。
別に滅びたっていいという話もあるが、少なくとも、
そういうことがあるかもしれないということくらいは、
認識しておいたほうがいいだろう。

とにかくこの本は一読に値する。
何よりも恐ろしいのは、中国の計画だ。
1980年代に鄧小平が中国人民解放軍近代化計画として、
第一列島線と第二列島線という国防方針を作成した。

簡単に言えば、2000年までに中国沿岸海域の防衛体制を整備し、
2010年までに第一列島線内、2020年までに第二列島線内の制海権を確保する。
第一列島線は九州から沖縄、台湾の東側、フィリピンの西側を通過して、
ボルネオ島まで。第二列島線は、伊豆諸島から小笠原諸島、
グアム、ニューギニア島まで。

だから、尖閣諸島がどうしたこうしたと言うのは、
別に海底資源がほしいんじゃなくて、この第一列島線を実現したいのだ。
小笠原諸島にサンゴ採りの船がくるのは、第二列島線絡みなのである。
この人民解放軍近代化計画にはまだ先があって、2040年までには、
第三列島線を実現する。これは、太平洋の子午線に沿って、
東側をアメリカの支配海域、西側を中国の支配海域にするというもの。

これは、1494年に当時のローマ教皇アレクサンデル6世の承認を得て、
世界を西経46度37分で二分し、西側をスペイン、
東側をポルトガルが支配するというトルデシャリス条約と同じものだ。
実際2007年に、楊毅中国海軍少将がアメリカの太平洋軍司令官、
ティモシー・キーティング海軍大将に打診したことを、
キーティングがアメリカ議会で証言しているという。

中国は虎視眈々と用意周到に長期計画でやってくる。
日本もかつてはそうだったが、今は…。
先の滅んでいった大国と同じ道を辿っている。
今のところは。
少子化、傭兵、IT産業への乗り遅れetc.

ある種、日本国民、特に政治家、経済人にとっては必読の書だ。
中国の脅威論、中国コワイコワイの人々は多くいるが、
そういう話ではない。

私は個人的にはまた別の意見もあるが、また長くなる。
とにかく大きな歴史の流れ、うねりは押さえておいたほうがいいよね。

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